前回はこちら
1/9(木)
行きの飛行機は9:20だった。
奇跡的に6:00に目が覚め7:00まで10分おきに設定していたアラームひとつずつ消して準備をした。
電車を調べると意外と30分かかることに今驚いてる自分に驚きながらオンラインチェックインを黙々と進めた。
出国審査が顔認証なのに感動しラーメンがインバウンド価格なのに絶望しながら、出発ゲートを目指すとさらにモノレールでの移動が必要で結果的になんだかんだで5分前に到着した。
いや7:00に起きてたら終わってたんかい。
機内に全員が乗り込み、出発目前というところで突然カタコトのアナウンスが入る。
「あのぅ〜本日滑走路がクローズの影響でぇ、出発が11:00くらいになりますぅ、申し訳ございませ」
ざわざわ…
機内がざわつく中ひとりだけ「7:00起きでも耐えたかぁ」とか思っていると隣の席からは「予定全部ずれたな」という日本人女子2人組の声が聞こえてきた。やっぱり予定なしは強いわあと心のなかでマウントをとっていた。
とはいえ機内で2時間待ちか、、
予定決めよ。
機内にて
ようやく出発して2時間ほど立つと機内販売と思しきものが始まった。
「Ca Phe? Tra?」
ベトナム語すぎるしシステムもようわからん。これオレ頼めるやつ?クレジット使えんのかな。
といろいろ考えているうちにカートは通り過ぎていってしまった。
あかん、腹減りすぎている。喉も乾いた。
字面では9:20→13:05と書いてあるので余裕かあと思っていたが表記は現地時間、さらにそこに1時間半の遅延を含めると9:20→16:35 であることに今更気がついた。
そら腹も減るわ!!と思い次の機内販売を待っているとついにやってきた。
しかし、自分は窓際、隣2席は日本人女子を跨いでの注文に恥ずかしながらめちゃくちゃ躊躇いが生じてしまい結局逃してしまった。情けないがこれが現実である。日本人女子の前で拙い英語を喋ることに抵抗を覚えたのもマジである。この辺は恥ずかしいが正直に書いておく。言い出せないってあるよね。
結局やむなく地獄を選択し、残り3時間。WiFiなし、充電なし、以降の記憶もなし。
ベトナム着
ついに着陸態勢に入り、ベトナムらしきものが見えてきた。
デカデカとHONDAの看板がお出迎えする中飛行機は難なく着陸した。
ついにベトナムだ!最初の一歩はどんな感想だろうか
「あったけぇ〜〜笑」
これだった。
でも地味にちゃんと違う場所に来たんだということを実感できるいい感想とも思う。
空港着いてからの移動は何も考えてなかったが、eSiMを繋いでから宿泊するホステルのからの案内を見ると、タクシー詐欺が横行しているのでできればうちの送迎サービス(6,000円)を使用してほしいとのこと。またバスでも4,000円くらいでこれんこともないよともあった。送迎サービスはもう手遅れなのでgrab(※東南アジアのバイクタクシー、このおかげでぼったくりタクシーが減っているらしい)使って呼べばいっかと思って外に出る。
すると確かにめちゃくちゃタクシーが声かけてくる。
そしてこいつら全員スマホにgrabと出して「おれがgrabだ」とか言ってくる。
GOすらも使ったことないので、もうやってらんねえよ、、と思いとりあえず逃げ続けたら空港から離れた道路まで来てしまった。
これにはタクシー詐欺師もびっくりだろう。
と思っているとなんかもっと生活水準の低そうな人たちが路上でタバコを吸っている。
ここが詐欺師たちの普段の住処なんだろうか、、と思い足早に急ぐが先が見えない。諦めかけたちょうどその時に一台のバイクが前から来た。
バイクタクシー
自分から声をかけてくるタクシーに乗ってはいけない、というのが基本セオリーとは知っていたが目が合ってしまったので、もうええわと思い交渉することに。
「How much!!」
“Thirty!”
30?30k(180円)ってこと?安すぎん???値切る流れと思ってたら破格の値段を提示してきて思考停止する。
よくわからないので向こうが差し出してきたGoogle翻訳に
「1km10,000ドンが相場と聞いている」というと
タクシーは徐にGoogle Mapを開き、ホテルを伝えると「ほら」と見せてきた。「オッケー」
30km
いや、ほなちゃうやん。いうとしたら300kやん、と思ったがなんか「オッケーオッケー」とか言ってるので無理やり差し出されたヘルメットを被りバイクに乗ることに。やってもうてるわあと自分でも思うもハズレでないことを祈りながら跨った。
バイクが出発すると、運転手がさっきの路上生活車たちに声をかけている。
「My friends!!」
あまじかこれ終わったわ。確定してしまったからには防御態勢に入るしかない。と気を引き締めるもうまく行くかはわからなかった。仲間のところにでも連れて行かれんだろうか。
とか言いつつもちょっと待てバイクタクシー楽しすぎないか?
防御態勢とか敷いてる場合でなく、なんだこれ。早速強烈な体験だった。
これを文章で伝えるのは至難の技なので、ぜひ読者諸君には体験されたい。
一言でいうとはちゃめちゃ。交通ルールはなんとなく右側を通る、多分これだけ。車もバイクもやりたい放題。常にクラクションが鳴りまくっていて最終的にはこれがベトナムの一番好きなところになった。
バイクタクシーはぼったくりのリスクと合わせてそもそもその危険性からガイドブック等でも推奨されていない。飛行機で2h待たされた時にネットで紹介している人の記事を読んで「結局いい人に当たるかどうかです」に確かになあとなって勇気が出た。どこに連れて行かれるかもわからないし、こんないろいろと危ない乗り物に乗ってるの親にはいえんなあとか思っていると盗んだバイクで走り出してるくらいの背徳感が合った。
ベトナムに来た、と思った。
こんな危ない道でも運転手は平気でながら運転をする。定期的にGoogle翻訳の文章が差し出された。「ベトナムにくるのは初めてですか?」
「おすすめの場所があるので紹介しましょう」
「紹介しながら連れて行くことができますよ」
こいつぼったくりのフラグ全部立てて行くやん、、
全部の質問に心を鬼にしてNoと伝えるとハノイの市街にきた。
交通量がさらに増えて、こっちのワクワク感も増す。
ハノイ到着
ホテルの近辺に来てもまだ「もうちょっと先に行くといい場所がある」とか言ってくるので、無理やりここでいいと下ろしてもらった。
もう早速こっちからお金出して終了するぞ!と思い
「300,000、OK!?」
と言いながら渡すと運転手はすんなり受け取った。
え?普通にバスより安いのでなんか言ってくるんだろうと思っていると案の定要求があった。
「日本のお金が欲しいです」
でた。バイクタクシーの中には財布をひったくって逃げていくやつもいると書いてあった。オレが素早く財布をポケットにしまったので、もう一度出させようとしてるな?と勘繰った。
持ってないといえばいいかとも思ったが割とさっきガッツリ見えちゃったような気がしたので流石に気まずくてできなかったのでとりあえず、なぜ?自分で両替してくれ。と伝えると
「新年のお祝いで恋人に見せたいのです。去年も渡すことができ、とても喜んでいたので今年も渡してあげたいのです」
「両替は航空券を持っている人などが空港で両替できます。誰でもできるわけではありません。」
なんか妙に説得力があったので最悪1,000円取られてももうええか、、(普通にバスより得している)と思い渡すことに。
通貨返還アプリを出して、ほな160kドンくれよな、と渡すと、マジで返してきた。え、まじ?
ん、あ、140kしかない。ん?わざと?えでも20kドンて120円?これ悪気ないやつか?と思っているともうどうでも良くなって写真撮ってお別れした。
うん、多分いい人だった。
どうせなら北里柴三郎渡せばよかったと思った。恋人とお幸せに。
ホテル到着
ホテル着弾。拙い英語でなんとかチェックインに成功した。朝食券と19:00〜20:00のビールハッピーアワー(飲み放題)のチケットをもらった。
部屋に入ると早速ウルグアイ人がお出迎えしてきた。海外きた感じするなあ。
噛みつきスアレスの話でひと盛り上がりしてハッピーアワー行こうな的な会話をした。何度も言うがこれは正直なブログ。英語はカミカミだったけどなんとなく伝わって楽しかった。
別に英語旅行にしたいわけではないんだが、コミュニケーションをとっていく上で欠かせないと言うのも事実と言うわけでその辺の記述もじわじわ増えていく。
19時までまだ時間があるのでとりあえず空腹をどうにかすることに。
ハノイ市街はすごい盛り上がりでとりあえずぼんぼりが綺麗なお店に入ることにした。
あ、うめえ。ここにはビールの写真しかないが料理も普通に美味かった。
そんなこんなでほろ酔いの状態でホテルに戻ってきてエレベータに乗り部屋のある5階を押すと2階でドアが開いた。ドアが開くと目の前には変なポーズを取っている男とその友達たちがいて、中にオレがいるのをみてゲラゲラ笑っていた。そう言うゲームをしてたのねと思い舐められたくないので、「ハッピーアワー行くとこかい?」と聞くとそうだぜえと元気いっぱいに帰ってきた。一丁前に”I’ll go later.”とか言ってエレベータを降りた。
部屋に荷物を置きに行くと、ウルグアイ人は誰かと電話していた。ほな先ハッピーアワー行くでえと屋上に行くと既に外国人でいっぱいだった。さっきの4人組もおるけど、友達との旅行だよなと思って一緒には飲まないことにした。
空いてる席に一人で座ったが一人でいるのは自分だけのようだった
(なんかみんな喋ってるけどこれ元々の知り合い?)
(元からの友達だったらオレきたら邪魔よな)
(じゃなかったとしてみんな楽しんでるとこに別に英語そんな喋れないおもんないやつが絡んできても変な空気なるよな)
とか考えていると一人になった。
マジで一人でビール飲んでた。
そのうち誰か話しかけてくんないかなあ〜とか思っていたがはたから見ると多分一人になりたい人だった。
”I’ll go later.(別に一人で飲み行くで)”と勝手に再翻訳し結局スマホをダラダラ触り時折周りをチラチラみつつ、30分で1杯だけビールを飲み、サンキューとグラスを返してそこから出た。
結構うわあと言う気分になった。
そのままバイクタクシーを呼んで走るとさっきよりもっと盗んだバイクで走り出す気分になった。
ひとりやけ酒とバイクを堪能してやった。
ホステルに戻ると何やら音楽が流れている。エレベータはまあいいやと思って階段を登っているとその音はだんだん大きくなっていた。さっきのことがちょっと心残りでもあり、音に釣られるまま5階を既に通り過ぎていた。
屋上にたどり着くとそこはクラブのようになっていてどんちゃん騒ぎだった。
世界のどこでも目立ちたいやつはなるべく高いところに立つ。
驚いているとさっきの男4人組が笑顔で出迎えてくれた。お前も一緒に踊ろうぜと言ってくれて、あんまり酔ってなかったけどオレはおもろいやつなんだぞ!と言わんばかりにめちゃくちゃ踊ってやった。こう見えてラムジーだし。
楽しかったし嬉しかった。仲間に入れてもらえて。情けないが本当にそう思った。
楽しい時間はあっという間に終わりとにかく全員で抱き合って終了を知らせる音楽でも肩組んで踊ってたら金髪美女が「もう帰るよ!」って手を引っ張ってきた。どこでもこんな感じかとなった。本新歓やん。
最後の最後に寂しい気持ちが吹き飛んで幸せな気持ちで寝ることができた。あぶね。
続く。