前書き・出発前夜
台湾に行く。
それは今年の夏前に唐突に決まったイベントだった。理由はプライベートな事情のため割愛するが、格安飛行機で片道1万円台、夏に新幹線で行った鹿児島より安い。なんなら福井から東京の新幹線代と変わらないので怖いものはない。すぐさまピーチのサイトを漁るのだった。
とはいえ台湾のことについては全くと言っていいほど知識がなかった。
あるとすればなんとなく親日だとか、台湾有事がやばそうとかその程度。
小説「路」
お供に小説を1冊リュックに入れるのが、前回からの旅の決まりごとになっている。
最大の利点は充電をくわないこと。冗談ではない。
前回は旅先に全く関係ないものを選んでしまい悔いに残っているため、今回は最低限の知識をつけるためにも台湾を舞台にした小説を選んだ。

出国・1日目
一度LCCの洗礼を浴びている男の朝は早い。
5時半に起床し、朝6時には関西空港に向け、ホテルを後にしていた。
南海電鉄とターミナル間を運ぶバスに揺られていると朝焼けに照らされる関西空港第2ターミナルが現れた。

というわけで出発まで2時間半を残しラウンジに着いたが、暇を持て余すなどということはない。
全くもって予習が進んでいないのだ。
コーヒーとパンを買い、出発ゲートの端も端のエリアにスタンバイ。これから海外旅行に行くというのにこれじゃあ自習室やんけ。

Kindle Unlimitedに入っていることもあり、台湾のガイドブックが2,3本ダウンロードできた。
これはかなりでかいが、気づいたのが当日なのはかなり危ない。
ガイドブックには、エンカウントする有益な情報が多いので大変助かる。
この時立てた予定は以下の通り、
空港に着いたらすぐホテルに荷物を置き、名所である十分と九分をノンストップで回る。十分を繋ぐ鉄道は1時間に1本しか通っていないため、少しでももたつくと全て失敗するギリギリのスケジュールだ。
電車や各所の所要時間を徹底的に調べ、このようなギリギリのスケジュールを立てた理由は2日目の天気が悪く、1日目のうちに九分を回る必要があったからだ。
しかし1週間前の天気予報を妄信していることに気がつき、搭乗後ギリギリ電波が繋がる中調べた最新の天気では、2日目も耐えそうということが発覚し、この予定は全て機内で立て直すこととなる。
これができるのも、先ほどダウンロードしたガイドブックのおかげである。
台湾到着
到着すると空港の係員さんが紙を配っている。
「一人に一枚〜」
意味は100%わかるのに、違和感も100%ある日本語を聞きながら入国審査へと向かう。
三単現のsがないのもこんな感じなのだろうか。
なんだろう、読める。言語の壁を感じない。あるとしてもだいぶ薄い。

両手の指紋を取られていざ入国。
入国するなり、まず圧巻だったのは空港。
早速どことなくアーティスティックな雰囲気を感じる。

台北へ
桃園空港から台北までは、台湾メトロという鉄道で繋がっている。
台湾では、このメトロを始め、バスも日本と同様全て交通系ICカードで乗ることができる。
For ForeignerというこのICカードを売っているカウンターがあったので、ここで購入すると「チャージはマシンじゃなくて窓口で」と言われた。
普通に違和感しかなく、ここでやっと騙されたと思った。Suicaに外国人用もクソもあるかいな。ましてや窓口じゃないとチャージできないICカードってなんやねん。
騙されてない可能性を信じて一回マシンに置いてみる。

なんだろう、すごく言語の壁を感じる。そしてチャージの画面に進まない。
偽物か、、ぼったくられたと思い、諦めつつ一応この画面をGoogle翻訳にお願いする。
「カードを置き直してください」
あるあるのやつやんけ。もう一回カードを置き直すと普通にチャージできた。疑ってごめん。こういうことにならないように良心で言ってくれたのかなと思う。
帰国してから買いていて思うが、こんなくだらない詐欺、台湾ではまず起こらなそうと今なら思える。
そうこうしていると乗ろうとしていた電車は目の前で出発してしまった。なんかすごく懐かしい感じ。
そうこうしていても15分待っていると次の電車が来る。
台湾メトロは森林地帯を駆け抜け程なく都市部が見えてきた。

バスケコートが見えたので急いでシャッターを切ったらなんかエモい感じになった。
でかい公園があるのは、豊かな証拠。
もうぱっと見日本の首都圏にきた感じだ。
到着した台北駅も恐ろしいほど大きい。
そうこうしているともう15時になろうとしていた。
元のスケジュールだったらどうなっていたことか。
腹減ったなあと思いつつホテルに向かっていると、事前にチェックしていた牛肉麺のお店に出くわした。

え、確かミシュランとか書いてあったはずなのに、なんか汚ねえ。でもめっちゃ人いる。
うーん、並ぶのもなあと思っているそこのオレに指を指してくる二人。

こんなの見せられたら行くしかない。歓迎っぽいの書いてあるし。
入店すると確かにミシュラン。

待っていると熱々の牛肉麺がきた。
「ペイ ナウ!!!」
このタイミングらしい。確かにお店は仕事をしたし、払わんとこっちは食えない、いいシステムかもしれん、と感心しつつお釣りをもらって手を合わせた。

優しい味〜。でも優しすぎないか?と思っていたら、後から調べるとどんどん調味料を足して味変していくもんらしい。おれが無知なばかりに優しいだけのやつになってしまった。
東洋のベニス、淡水
ホテルのチェックインを済ませて、すっかり予定を一新して夕焼けが有名な淡水(タンシュエイ)へ。
メトロで、流れていく景色がなんて都会なこと。次から次へと思わず写真を撮りたくなる建物が出てくる。撮ってないけど。
台湾の発展度合い、おしゃれ度合いに、呆然としていると日の入り15分前に淡水についた。即席とは思えない完璧なタイミング。


iPASSを通して駅の外へ出る。こういうところも全部デジタル。
確かにもう、他とは違う感じがする。夕焼けが有名ってどういうこと、って感じだったけどこれは期待できる。
感動して駅の写真を撮ったけど、写ってる店は「すき家」と「コメダ珈琲」。
微妙な気持ちになる。

夕焼けを堪能しながら散策。
あたりには大勢の人がいて、みんな思い思いにこのマジックアワーを楽しんでいた。


あっさり日は沈んでぶらぶら。
そろっとどっか入りてえな、と思って横をみるといい感じのビールスタンドが。
テラスでビールが飲めるし、お目当ての一つ台湾ビールもあり即決。
このロケーション、外で飲める店は相当値が張るのでは、と思っていたところに溢れてきた。

迷わず台湾ビールを注文。(お店の看板メニューはアサヒスーパードライだった)
まあこのロケ、時間帯、上手くないわけがない。
味は確かに薄めだけどすっきりしてうまい。ベトナムを思い出させる。
あったかい地域ではこのくらいがちょうどいいのかも。


追加でクラフトビールを注文。
この頃にはすっかり夜を迎えていた。

夜の淡水を歩く。
意外と好評だったのがこの写真。

まだ台湾っぽいメシを食べてないので、屋台っぽいところに入る。
青菜炒めだと思って食べたら、なんかキャベツのお浸しがきた。
うまいけど、単調な味の割に多い。次こそ青菜炒めを食べよう。

満足したので、台北に戻る。
もう一つの中心地、中山はまだまだ活気付いていた。
体感新宿、全然都会。
眠らない街からまだ帰りたくない、と地下鉄に乗る。

せっかくならということで台湾メトロ特有の「トークン」で乗車。
切符ではなく、この乗車区間分のトークンを入れることで、改札を通るシステム。
謎にテンションが上がる。

台湾有数のブルワリーにお一人様入店。
クソうまいけどクソでかいビールをカウンターで、嗜んだ。
iPadで夜な夜な明日の予定を立てているとあっという間にラストオーダーの時間になり強制退店となった。


ほぼ終電で台北に戻る。
地下通路はなかなかの雰囲気である。8番出口を見た自分的には少し嫌な感じはする。

今回の旅行のキーとなる、2日目の予定が詰めれていないので、残業。
台湾限定のキリンビールBarと、かっぱえびせんもどきを手にホステルの共有スペースで夜な夜な予習。
日本と台湾を跨いだ長い1日が終わろうとしていた。
