うさぎの島を目指す我々の朝は早い。

7時の道後温泉はちらほらと人が歩いていた。昨日の商店街にあれだけの人がいたと思うとやはりこの時間はみんな束の間の休日をぐっすり寝ているんだろう。

約12時間の滞在となったホテルをチェックアウトし、朝食目当てに近くに見つけたパン屋さんへ向かう。

ジブリの世界を感じさせる同時入店3組限定の狭めの店内は焼きたてのパンの熱気で暖かかった。

なぜこんなに早い時間に来ているかというと、大久野島の2つある桟橋の1つが壊れてしまったらしい。

そこはフェリーがつく桟橋らしく、定員300名のフェリーでは2つの港からアクセスでき、それ以外は定員80名の客船というのが選択肢だった。

このうちのフェリー2つが消えたのである。大丈夫か、と思うのも当たり前である。

並びたくはないよね、と頑張って早起きしたわけだが、すでに想像を超える行列が出来上がっていた。

定員80名なら、次のにすら乗れるか怪しいな、、

当初の便をお見送りすると、丁寧にカチカチ親指を動かしながら港のおっちゃんがやってきた。

んでいただいたのがこれ。こんなことある?

聞けば、代わりに並んでたりで、数えた人数が増殖することもあるらしくある程度マージンをとって渡しているから運が良ければ乗れるかもね、とのこと。

この日は直島への移動日でもあるので、これ以上の足止めはできない。

もし次のに乗れなかったら諦めて直島へ向かおう。そう決めた。全ては乗車時に決まるのである。

次の便の船がやってきて桟橋に止まる。降車が終わると列が動き出す。

どんどんと人を通すペースが慎重になるチケット確認。後もう少しだが、例によっておっちゃんによると人が増えている。

いけるのか、、やっぱ無理か、、と思い、列も完全に止まってしまった。が、

通された。

あと1組だった。信じられない。どこまでハラハラするんだこの旅は。

行ってきます。そこにはうさちゃんが待っている。

大久野島着

念願の大久野島に到着!
するもうさぎがいない、、?

よくよくみるとベンチや木の下に引っ込んでいるうさぎたちを発見。

ここにいたのか。

暑いよねえ。

暑すぎてみんな表に出てこない。

うさぎが飛び回ってる姿は見れなかったけど、木陰に行くといろんなうさちゃんが顔を出してくれた。

大久野島は毒ガス開発をしていた暗い過去があり、うさぎの島になったのもそれが関係している。

そんな戦争祈念と思しき千羽鶴と、そんな事情は知らずおしゃれに着こなすうさちゃん。

振り返ると、ちょうど帰りの船が来ていた。

行きみたく怪しくなる前に帰ろう、とそのまま駆け込みこの便もほぼ最終組で乗り込んだ。

直島へ

早起き作戦が功を奏し、昼過ぎには本州に帰ってこれた我々はそのまま次の目的地、直島へと向かうため、港のある岡山へ車を走らせる。

藤井風、ブルーノマーズ、チャーリープースなどを気分のままに流しながら2時間半ほどのドライブを楽しんだ。

16時半のフェリーで直島へと向かう。

何を隠そう個人的にはこの直島こそが最大のメインである。
4年前に1度訪れたこの地に連れてくることこそがこの旅の目的なのだ。

16時半発のフェリーに乗り込む。

フェリーの中はあまりにも広く、快適でびっくりした。

ホテルのロビーみたいな感じ。

なんか金持ちには船のイメージあるけどなんとなくわかった。この世の移動手段で最も広いの多分船だわ。

ちっこい客船を見下ろしながら直島に到着。実はちょっとあっちの方がアトラクションみがあるから乗りたかったけど帰りにしよう。

フェリーを降りて今回の宿泊先へ歩く。

直島には民宿が多い。安いし現地民の声も聞けるので個人的にはこういう感じも大好きだ。

荷物を置いて民宿のママにみんな夕飯はどうしてるのか聞くと、港に出てご飯屋さんに入るか、島で2個しかないコンビニに行くかやね、とアドバイスをもらった。

それを胸に島を散策することに。

するとさっそく野良猫が挨拶してくれた。

近寄ってくるも我々が特に食べれそうなものを持ってないとわかると(?)石段に登ってひっくり返ってしまった。

なんてかわいいんだ。

島に来てよかった、、とすでに思い始めていた。

島のご飯も意外と予約がいっぱいで、紆余曲折しながら最終的にすごくいい感じの居酒屋さんに入ることができた。

直島でしか飲むことのできない「直島ビール」などというものがメニューにあったが、売り切れてしまっていた、、

お土産でも売っていないらしい。

直島にまた来る理由ができてしまったところで店を出て、星を眺めながら「青い鳥」へと歩いた。