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6:00にアラームで目を覚ますも、流石に連日の疲れがあり普通にオペ見学の日の朝みたいな気分だった。
予定していたのは初日に送ってくれたドライバーに「ハノイに来たなら欠かせないのはご存じですか?」と画面越しに言われただけで行くことになったホーチミン廟だったから確かにオペ見学とそんなに変わらないかもしれない。
ホーチミン廟は、ベトナム建国の父ホーチミンのガチの遺体が安置されているお墓みたいなものである。ホーチミンはマジで国を作ったらしい、少なくとも知り合いにそういう人はいないから多分結構すごい。
どんなにカリスマ性があるのか、それは死後も健在なのか、そう思うと確かにちょっと見てみたさは正直あった。
スムーズに見学するには日が登る前に現地に行く必要がある、とのことで非常に厳しかったがとりあえずチェックアウトと今日もただで朝飯が食えるか確認しにだけ行った。
スムーズなやり取りの結果、今日も食えるらしい。受付の人が英語を話せる人だと本当に助かる、と思うくらいにはもう英語でコミュニケーションをとることに抵抗はなくなっていた。
飯を食い終えてホーチミン廟へ向かう。
今日もバイクタクシーは最高。
ホーチミン廟
ホーチミン廟の近くに着くとなんと恐ろしい量の行列。そこには現地の小学生も数多くいた。
この辺りは兵隊さんが多く、何かと言動に注意が必要ぽいのでここからぐっと写真は減る。
大きく分けられて入り口は2つありどっちもめちゃくちゃ並んでるけどどっちが本物?
行列に並んだ末に間違えていたらたまったもんではない。
3日目にしてコミュ力が頂点に達している私は、こちらは多分英語は通じないのでGoogle翻訳を取り出し、そこにいる兵隊さんに聞いてみた
わい:「Sự khác biệt giữa cột bên phải và bên trái là gì?(右と左の列の違いはなんですか?)」
兵隊:“I don’t know”
なんでだよ。
お前がわからなくて誰がわかるんだよ。と思いながらヤマカンで列を選択する。結果荷物検査の手前で2つの列は合流するのだった。あマジでなんで分けてたのかわからんかったっぽい。
列に並んでいると偉そうな(多分偉い)スーツのおっさんに「おめーは荷物預けてこい」と指さされ列からつまみ出された。
荷物を預けたはいいが、これどっから合流するん?流石に並び直しはエグくね?と思い目の前の列に
“Sorry, may I enter this line, OK?”
と聞いたら許してもらえ、ホッとしていると後ろから
「本当に長いわね〜」という声。
いや日本人かい。しばらく日本人を見てなかったのでその可能性を捨て切っていた。思わず、「あ、日本人ですか!」と振り返ると
「そうよ?あらやだ中国人かと思った?」
「全然日本よ、長野のおばちゃんですオホホホ」
聞いてないのに長野まで出してくるあたりおばちゃんすぎると思いつつ久々のアットホームな空気に安心感も覚えるのであった。
いよいよメインの建物の手前まで来た時、突然列が止まり、お花を持った兵隊が列をなしている。
どうやら今日はセレモニーの日だったらしい。
「よりによって今日なのね〜〜」という後ろのおばちゃんの声を聞いて、よりにもよって今日か、と思った。どうりで小学生も多かったわけである。
安らかに眠っているホーおじさんの見学は15秒で終了した。
ホーチミンの遺書には
- 遺体は火葬してベトナム全土に撒いてほしい
- 自らを神格化しないでほしい
という2点だけは3回書き直しても変わらない内容だったらしいがそれ公表いいん?というレベルで見事に2つとも破られている。
本体を見れば自分も圧巻されることを期待していたが、感想はそれとは程遠いものだった。
ガラスケースに入れられ、兵隊が取り囲み、1日に1回は必ずその周りを見学者が通っていくという、どう考えても休まらなそうなその姿をどこか気の毒に思ってしまった。
上記の2点を残していたことに、彼は本当にベトナム国民のことだけを考えていたことが伺えるし、だからこそここまで愛されたことも頷ける。
現在のベトナムの姿は彼を利用しているようにしか見えなかった。
思っていたよりネガティブな感想でホーチミン廟見学は終了した。
グルメの旅
「ホーチミンの家」など興味ないので列から外れ、次の目的地へと向かう。
昨日あった韓国人のお友達に紹介されたフォーの有名店(ミシュラン掲載)、Pho 10である。元々ガイドブックにも掲載されていたが、掲載されているような店はどうせ混んでると思い、行くつもりはなかった(じゃあなんで買ったんだよ)
しかし、昨日「どうせ並ぶんでしょ?」と聞いたら一人の場合は相席でもよければ全く並ばないと聞いたのでやはり現地民の意見を聞くことは大切だと改めて感じた。
お店に行くと確かに秒で座れた。そしてさらに驚くことにフォーも秒で出てきた。うめえけどパクチーうぜえなあと思いながら完食。
ここからはこんな感じでただのグルメメモになっていく。
お腹もいっぱいになってしまってのでご飯屋さんに入る選択肢がなくなってしまったが、とにかくバイクタクシーが楽しいので、バイクタクシーに乗りたいという口実のもとちょっと遠くまで足を伸ばしてみることにした。
日本人通り Kim Ma
ハノイには日本人街があるらしく「Kim Ma」と言う通りだった。
せっかく日本人街があるのならいってみるか。日本人ウケのいいお土産を集めているお店もある模様。
1回100〜200円で乗れるアトラクションが移動手段にもなるんだから最高である。
このおかげで15分くらいの移動なら全く抵抗がない。それが効率の悪い移動であっても。それが今回の旅行が他の場所と比べて大きく違うところだったかもしれない。
日本で無料のタクシーチケットを何枚も持っているような感覚に近いかもしれない。
目的地に着くとハノイでは初めてみる高層ビルがそびえたっていた。
中に入ってみるとまさしく日本の駅ビルと変わらなかった。
中に入るとSHISEIDO, GUCCI, などなどいつもの並びがあり、一番つまらないところに来てしまったなと思いうんこだけ置いて速攻で出てきた。
少し歩くと、もはや高層ビルの影は跡形もなく、見慣れやベトナムの暮らしが広がっている。
でもなんというかいわゆる「格差」みたいなものは大きくは感じなかった。
ベトナムはどこも活気があって、みんなが目の前のことを一生懸命やっているしとても充実しているように見えた。見えただけだけど。
この目の前の必要性をかき集めてったらこうなりました、みたいな街の姿が好き。下心を感じない。
日本人街では特に日本人にも会うこともなくあんまり面白くなかったからお土産屋さんで自分用に買ったgrabのジャージを着て再び旧市街に戻ることに。
バイクタクシーを待っている間暇だったので流し撮りして遊んでた。
バッチリカメラ目線だったので、本人に届けたい。後から気づいたけど、これみんなgrabのジャージを着てるオレをみているらしい。
ハノイ旧市街
ベトナムにはビール屋さんがいっぱいあるのでビールを飲んだり
コーヒーを飲んだりした。
この辺りから定期的にgrabのジャージを見ては声をかけられるようになり、その際にちょっとした会話が生まれるなどして、ちょっと美味しいな、と思ってた。
もう特にやることは無くなってしまった。こっからは何も考えずにただダラダラ歩いてる。
しかしそれでもたくさん面白い景色に出会うので、写真を並べておく。
バイクに犬が乗っている。
なんか綺麗な消火栓?何これ。
ここにも。
次どこ行こっかな〜と思っているとバイクタクシーで見かけた線路のある通りを思い出した。
予定を立てていないのに、次から次へと行きたいところが出てきて結局本当に暇になることはない。これが行き当たりばったり旅行の楽しさであり、そこにすぐに行けるバイクタクシーのあるベトナムの魅力なのだ。
Train Street
Train Streetはハノイでも有名な観光地なようで、たくさんの人がいた。
リサーチ不足?いやこう言うのを自分で見つけた気になれるのが良い。
ひとつ目的地については、ビールを飲み、そこの雰囲気を楽しんだら次行くとこをなんとなく考える。
一人旅では正味それくらいしかやることがない。
ここではここまでの日々をなんとなく振り返ってしみじみしている。
旅行前に考えていたことは全てやり尽くせたので、満足感とわずかな寂寥感を感じ、もう愛着が湧いてしまった旧市街にまたまた戻るのであった。
こう言う変な旅程も一人だと気を使わなくて良い。
またタクシーに乗るべく電車の道を歩いていると、grabのTシャツを着ている仲間ちょくちょく発見し、声をかけられて握手していたら嬉しくなったので、自分からも見つけたら声をかけるようにしてみた。
するとすぐさま二体の同種(アホ)を発見し他ので、声をかけてみる。
アメリカ人だった。出身はどこかと聞かれ日本と答えると、日本のどこかと聞いてくる。
この質問してくる人結構いるが、どうせTOKYOかOSAKAくらいしかわからんやんけ、と思い知らんと思うけど新潟、的な感じで答えるとなんと知ってるらしい。
お米で有名とか言ってくる。あ、まじで知ってるわこの人と思いどうして知ってるのか聞くと、まさかの大学教授で一月だけ新潟大で教えてたことがあったらしい。わお。
なんなら東京大学に2年いたんよ、とか言うてきたからガチプロやんけと思い強めに握手して写真撮った。
まじでどこでどんな人に会うかわからんくて純粋におもろい。
旧市街再び、そしてラスト
最終日のホテルは空港の近く(50分くらいかかる)にとっていたので、車のタクシーに乗ると決めていた。ん?行きはその、頭がおかしかった。
そのためこれもラストバイクタクシーか、、と思い乗り込むとなんとさっきまで歩いてた線路が封鎖されていた。バイクがどんどん溜まってくる。なんだ???こんなの初めてみるぞ、、と思っていると
なんとそこにマジの電車が走ってきた。
は?そこ電車とおんの。
まだまだわけわからんくて最高に楽しい。ガイドブックで知ってたらこんなに驚くこともなかっただろう。無知の無知、再びである。
漫画のネタバレともちょっと違う。なんかおもろいことが起こる、ということすら想定してないから弱目のパンチでもぶっ倒れてしまう。
ハノイの絶対に理解させようとしてこない姿勢にもう完全に心を掴まれていた。
まだみたことない通りもあったし
外で髪切ってる人まじでいるんやともなった。
いよいよ本当にやることがなくなり、これ以上ない達成感に包まれていたが強いて言うならegg coffeeという名物を飲んでいないことが挙げられた。
食わず嫌いなので、正直これは飲まなくても良かったからもう十分な達成感を得ていたわけだが、一皮剥けた自分は違う。じゃあなおさら今しか飲まないじゃないか!!と自らを奮い立たせegg coffeeを飲んで有終の美を飾ると決めた。
なんとegg coffee、その提供料はもっぱら卵の量に依存するようでsold outばっかりだった。
別に元々飲むつもりなかったが、一回でもその気になってしまったからにはなんか悔しい、次から次へとお店にあたり、カウンターで「egg coffeeはあるか」と迫真の顔で尋ね、なければ「ならいい」とその場を後にした。気まずさに完全勝利していた。
そして!ついにそのお店を見つけた。ようやく目の前にするegg coffee。
ほう、、これか。1枚パシャリと写真を撮り、臨時で入った旅行の最終ミッションを叶えるべくカップを傾ける。
まずい。
これ結構まずいやつだ。もういらない、どうしよ。
しかしここで要約わかったことがあった。ベトナム特有の甘さってもんがある。オレンジジュースもどこか甘さが日本とは違う。なんかもわっとしてる。
まあ理解したところでまずいもんはまずい。
残して帰る気まずさと天秤にかけ、鼻を摘んで最後まで飲んだ。ミッション完了。
さようならハノイ。
続く。